遺産相続の流れ

遺産相続手続きの全体の流れ

遺産相続をするときに必要な手続きの中には、期限があるものが多くあります。期限を過ぎると、その手続きができなくなったり、延滞税などを支払わなければならなくなったりする場合もありますので注意が必要です。わからないことは専門家に相談しながら進めていくと安心です。以下で簡単な流れを確認しましょう。

遺産相続手続 全体の流れ

遺産相続と相続税に関する
手続きの流れ

  • 相続開始後1ヶ月後

    ◆遺言書なしの場合

    相続人・相続財産の調査に移ります。

    ◆遺言書ありの場合

    公正証書遺言かそれ以外かを確認します。

  • ◆公正証書遺言以外の場合

    家庭裁判所にて検認します。

    ◆公正証書遺言の場合

    遺言書開封に移ります。

  • 遺言書開封
  • ◆遺留分侵害あり

    遺留分減殺請求の有無を確認します。

    ◆遺留分侵害なし

    相続人・相続財産の調査に移ります。

  • 相続人・相続財産の調査
  • 相続人・相続財産の確定
  • 相続開始後3ヶ月以内 相続人・相続財産の確定
  • 被相続人の所得税の申告と納付
    (準確定申告)
  • 遺産分割協議
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続開始後10ヶ月以内 相続税の申告と納付
  • 相続財産の名義変更
  • 相続開始後1年以内 遺留減殺請求

相続開始から7日以内に行う手続き

死亡届の提出

死亡届は、被相続人が亡くなった事実を知った日から7日以内に提出します(国外で亡くなられた場合はその事実を知った日から3ヶ月以内)。提出先は、死亡者の死亡地もしくは本籍地または届出人の所在地の市区町村役場です。
原則として、死亡診断書または死体検案書を添付します(通常、死亡届と死亡診断書は一体の書式となっています)。

通夜・葬儀

火葬場で火葬を行うためには火葬許可証が必要です。原則としては、死亡届を提出すると同時に火葬許可申請書を提出し火葬許可証を受領します(ただ、一部の市区町村では、死亡届を提出すれば火葬許可申請書の提出は不要な場合もありますので、ご確認ください)。火葬後に、火葬場から埋葬許可証を受領します。埋葬許可証は、納骨の際に墓地や納骨堂で埋葬してもらう際に必要となりますので、それまで大切に保管しておきましょう。

相続開始から1ヶ月前後の手続き

遺言書の有無を確認

遺産相続手続を進めるにあたり、遺言書の有無を確認することが必要です。遺産相続では、遺言書があるかどうかにより、その後の手続きの進め方が変わってくるからです。

遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言などがあります。公正証書以外の遺言書については、勝手に開封せず、家庭裁判所において遺言書の「検認」手続きを受けることが必要です。「検認」の目的は、遺言書の現状を明確にし、遺言書の変造や隠匿などを防ぐことにあります。

相続人の調査

相続人が話し合いで遺産分割の方法を決める場合(これを「遺産分割協議」といいます)には、相続人全員が参加することが必要なため、協議を行う前提として相続人調査を行わなければなりません。

相続人調査の際は、通常、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、改正原戸籍謄本などを取得して、被相続人の法定相続人を確認します。

戸籍の収集は時間も手間もかかり、必要な戸籍全てを集めるのは難しいこともあるため、専門家に相談すると良いでしょう。

相続財産の調査

遺産分割協議を行うにあたり、どのような相続財産があるのか、相続財産の全体像をつかむことが必要です。そのために、被相続人の有していた財産(不動産、現金、預貯金、有価証券類、借金など)をプラス財産・マイナス財産についてすべて調査し、確定する必要があります。

相続財産に当たるかどうかは、一般的な感覚とは異なる可能性があるので、注意しましょう。

相続開始から3ヶ月以内の手続き

相続放棄・限定承認の申述

相続が開始した場合、相続人として取りうる選択肢としては、以下の3つの方法があります。

  1. 相続人が、被相続人の財産すべて(プラスもマイナスも含め)を受け継ぐ単純承認
  2. 相続人が、被相続人の権利義務を一切受け継がない相続放棄
  3. 被相続人の債務(マイナス財産)をすべて弁済したうえでプラス財産が残った場合にだけ相続し、相続人が、相続によって得た財産の限度で被相続人の債務負担を受け継ぐ限定承認

相続人が、被相続人のマイナス財産を相続したくない場合には、相続放棄(②)または限定承認(③)をすることになります。これら(②または③)の場合には、家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。
申述期限は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内と定められています。
承認や放棄をすると、3ヶ月以内であっても、もはや撤回することはできませんので、慎重に検討しましょう。

遺産分割協議

相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議を開始します。遺産分割協議では、相続人全員で遺産分割方法を話し合わなければなりません。相続人が遠方に居住しているような場合など実際に集まって協議することが難しいときには、メール・手紙などの方法を使って協議することもできます。

遺産分割協議が整った場合には、遺産分割協議書を作成します。この遺産分割協議書には、相続人各自が自ら署名押印しなければなりません。遺産分割協議が整わない場合には、家庭裁判所における遺産分割調停や審判により、遺産分割方法を決定することになります。

遺産分割協議とは

相続開始から4ヶ月以内の手続き

所得税の申告と納付(準確定申告)

被相続人の所得税についての確定申告については、被相続人に代わって相続人が行います。この場合の確定申告を「準確定申告」といいます。申告期限は、相続開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内です。申告だけではなく納付義務が生じることもあるので忘れないようにしましょう。

準確定申告は、必要な方とそうでない方がいますので、確認してもれのないように気をつけましょう。

相続開始から10ヶ月以内の手続き

相続税の申告と納付

相続税申告は、相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。申告期限=納税期限ですので、注意が必要です。遺産分割協議が成立していない場合でも、相続税の申告は行う必要があります。その場合、法定相続分に基づいて財産を取得したものとして相続税の計算をし、申告と納税を行います。

そして、遺産分割後に、実際に分割した財産の額に基づいて修正申告または更生の請求をすることができます(更生の請求は、分割のあったことを知った日の翌日から4ヶ月以内にしなければなりません)。

相続税の申告・納付について

相続財産の名義変更

相続手続においては、各相続財産の名義変更が必要となります。

たとえば、不動産の場合、被相続人所有の不動産の名義を相続人名義に変更します。この名義変更には、特に期限は設けられていません。しかし、被相続人名義のまま放置しておくと、様々なトラブルの原因となる可能性がありますし、相続人自身が亡くなり更なる相続が発生した場合には相続登記手続が複雑で大変になることもあります。そのため、相続財産の名義変更手続は早目に行うことをおすすめします。

相続開始から1年以内の手続き

遺留分減殺請求

遺言や死因贈与によって自らの遺留分を侵害されている場合には、自分の遺留分を取り戻すために、遺留分減殺請求を行うこともできます(相続開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内、相続開始から10年以内)。遺留分は兄弟姉妹以外の法定相続人に認められます。

遺留分とは

遺産相続は誰に頼むべき?目的別に専門家を比較

遺産相続手続を進めるにあたり、どの専門家に何を頼むかについては慎重に考える必要があります。各専門家には、できること・できないことがあるからです。

たとえば、遺産分割調停は弁護士、相続税の申告は税理士、不動産の名義変更は司法書士というように専門分野が分かれています。そのため、相続全般について依頼をしたいという場合には、相続を専門的に取り扱っている弁護士に相談すると司法書士や税理士と提携していることも多いため、ワンストップで相続手続を解決することができ、時間と費用を無駄にせずにすむことが多いのでおすすめです。

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税理士 弁護士 司法書士 行政書士
相続税対策
(生前)
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遺言書作成
(生前)
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相続人調査
相続財産調査
金融機関での
手続き
相続放棄 ×
制限あり
×
準確定申告 × × ×
遺産分割協議書
作成
×
遺産分割調停 ×
簡裁140万円以下
×
相続登記 × ×
相続税申告 × × ×
司法書士 弁護士 税理士 行政書士 信託銀行
不動産の
名義変更

注2
× × ×
相続放棄 × × ×
遺言書作成
後見人の申し立て × × ×
相続税の申告 × × × ×
争続交渉の
代理
× × × ×
遺産分割調停
注1
× × ×
  • 注1 申し立て書など、書類作成のみ可能
  • 注2 業務として行う事は可能。ただし専門ではない。
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