やっかいな遺産相続

人が一生でまとまった財産を手に入れるチャンスは2度しかないと言われたりします。
ひとつは、定年退職のときの退職金、もうひとつが相続のときの遺産です。
最近は、退職金の額も減ってきており、あまり期待できませんから、本当にまとまったお金が入るのは相続の時だけと言っても良いかもしれません。
相続の際に、少しでも多くの財産が欲しいとなると、他の相続人を押しのけなければ手に入りません。

こういった欲望同士がぶつかりあい、みにくい遺産争いへと発展することがあります。

遺産分割協議が大変なのは、欲望同士がぶつかりあうからだけではありません。
遺産分割協議を成立させるためには、相続人全員が参加して合意に達することが不可欠です。

ところが、
(1)相続人が多数で、協議の日時・場所がなかなか決まらない
(2)やっと決めても欠席する者がいて話が進まない
(3)持ち回りで決議しようとしても応じない者がいる
(4)相続人の一部が所在不明などで連絡がつかない
(5)認知症になってしまって意思決定ができない者がいる
などの問題があります。

そして、やっと話し合いのテーブルについたと思っても、遺産を分割する前提である、遺産の範囲にあらそいがあったりします。
「もっとあるはずだ。隠してないで出せ」「これで全部よ」「嘘をつくな」「嘘じゃないわよ」といった押し問答が展開されたりします。

親は皆平等に子どもを育てたつもりでも、子どもたちは必ずしもそうは思っていません。
自分は他の兄弟よりも粗末に扱われたなどと不満に思っていたりするものです。
そういった不満が親が亡くなって、相続の話し合いの際に、噴出するのです。
赤の他人であれば、お金で解決するものも、肉親であるから、互いに言いたい放題言い合って、互いに傷つけあい、収拾がつかなくなるのです。

このようにやっかいな遺産争いを起こさないためにも、きちんと遺言をのこしておくべきです。
遺言をのこして、遺言どおりに遺産を分ける権限を遺言執行者に託しておけば、遺言の内容のとおりに、きれいに財産を分けることが可能となります。